ポンドドル(GBP/USD)の振り返り(2026/6/1~2026/6/5)
日足
今週のポンドドル(GBP/USD)は、先週の激しい攻防を経て、上位足のレジスタンスゾーンから一気に下落のトレンドが加速する、非常にボラティリティの高い展開となりました。
今回は、長期的な大局観(週足・日足)から、今週起きた激しい攻防(4時間足)、そして実際に私がトレードを仕掛けたポイント(1時間足)まで、マルチタイムフレーム分析で解説していきます。

まずは、日足チャートを大きく引いて、週足・日足レベルの超長期的な大局観から確認していきましょう。
状況は先週と大きく変わりませんが、現在、ポンドドルは非常に大きな分岐点に位置しています。
高値の切り下げと安値の切り上がり: チャート全体を見ると、上からは高値を切り下げる下降ライン、下からは安値を切り上げる上昇ラインが綺麗に引け、巨大な三角持ち合いを形成していることが分かります。
エネルギーの収縮: 先週まではその三角持ち合いの先端に向けて、徐々に値幅が収縮してきている状態でした。
このような「大きな三角持ち合いの先端」にいるときは、週足レベルでは明確な方向性(トレンド)が出ていないフラットな状態です。
だからこそ、「次にどちらに大きく抜けるか」を市場が品定めている局面であるため、『日足・4時間足のレジスタンスゾーンに引き付けたところから、下位足が転換していく局所』をスナイパーのように狙い撃つ思考が極めて重要になります。

次に、直近の動きを詳しく見るために日足を拡大してみます。
*意識されているであろう抵抗帯の青ゾーンと緑ゾーンも追加しました。
巨大な三角持ち合いの内部を動く日足レベルの波ですが、直近のローソク足は「売り手」に圧倒的な優位性があることを明確に告げています。
「だまし」を伴うレジスタンスの証明: 過去から何度も強固に意識されている重要な節目(赤と緑のゾーン)に注目してください。一度はこのゾーンをローソク足の実体で上抜ける「上へのブレイク」を見せました。しかし、それは買いの勢いが続かない「だまし(上に振ってからの下落)」となり、強烈な陰線を叩いてゾーンの下側へと一気に押し戻されました。
日足レベルの「新たな高値」の確定: この激しい攻防の結果、市場には「日足レベルで綺麗に高値を切り下げてきた」という動かしがたい事実(ダウ理論の下降認識)が残りました。
日足MA(青)による価格の抑え込み(収縮): 一度は上抜けた日足の移動平均線(MA)を価格が再び明確に下抜け、現在は横ばいから下向きにターンしつつある日足MAが、上から価格をギュッと押さえつける壁として機能し始めています。
一度「上へのブレイク」という大きな罠(だまし)を挟んだことで、市場の買い手たちの損切りを巻き込み、ここからは売りの優位性が高まっています。
4時間足

今週の具体的な値動きを、4時間足チャートの黒枠内から紐解きます。
今週の相場は、ひとたび大局の視点を見失えば、買いでも売りでも資金を削られる「往復ビンタ」の罠が幾重にも仕掛けられた、極めて難易度の高い一週間でした。明確なテクニカル的根拠を持たずに、ローソク足が伸びた方向へ飛び乗るようなトレードを繰り返すと、あっという間に損失が膨れ上がり、致命傷を負うことになります。激しく上下に振られた今週の相場こそ、その典型例でした。
第一の罠:「下かと思えば、上」の強烈な乱高下 :週の始まりは、日足のレジスタンスゾーンに頭を抑えられ、4時間足MA(赤)を下抜けていく「絶好の売り局面」に見えました。多くの売り手(ショート)が「ここから下落の拡散が始まる!」と確信して売りボタンを押したはずです。 しかし相場はそれをあざ笑うかのように、下値のサポートライン(青ゾーン)に届かず、突如猛反発。下を狙っていたトレーダーの損切りを巻き込みながら、一気に4時間足MAを上抜けて急上昇していきました。
第二の罠:「上かと思えば、下」の激しい全戻し :この急上昇を見た市場は、今度は「やっぱり日足の三角持ち合いの下値支持が強かったんだ!ここからは上昇トレンド転換だ!」と、目線を「買い(ロング)」に切り替えます。 ところが、緑のレジスタンスゾーンに到達した瞬間、買いの勢いが完全になくなります。今度はそこから、上昇分をすべて打ち消すような大陰線を伴った急落へと転じました。
クライマックス:指標発表を伴った「注文の集中」と大暴落: このように、売り手も買い手も何度も防衛線を破られ、市場全体に「もうどっちに動くか分からない」という恐怖と迷いが極限まで高まったその瞬間、大本命の波が牙を剥きました。 週末の重要な経済指標発表のタイミングをトリガー(引き金)として、上値の重さを確信した大口の売り注文と、それまで粘っていた買い手たちの絶望の損切りが全く同じ場所に重なったのです。 これこそが、「注文の集中」です。それまでの乱高下で溜まったすべてのエネルギーが一気に解放され、チャート右側に見られるような、誰も逆らえない圧倒的かつ強烈な「大暴落」を引き起こしました。
「下がりそうだから売る」「勢いよく上がったから買う」といった感情的なトレードは、今週のような乱高下相場ではただの往復ビンタの餌食となり、損失を無駄に大きくするだけに終わります。
一見すると複雑で理不尽な値動きですが、最終的には「上位足のレジスタンスゾーン」と「ダウ理論のトレンド(高値切り下げ)」という強固な根拠の通りに収束していきました。目先のノイズを排除し、売り手と買い手の思惑が重なる「注文の集中」までじっと待つことの重要性が、この圧倒的な暴落のチャートにすべて刻まれています。
1時間足

最後に、私が実際に今週エントリーしたトレードを1時間足をベースに振り返ります。
黒枠が今週の値動き全体ですが、私がエントリーしたのは赤枠の1回です。
エントリー

上の画像はエントリー部分の1時間足チャートの拡大したものです。
最初のチャンス(スルーした理由): 赤の線が4時間足でダブルトップと認識できて、その2つ目の山で1時間足レベル(青線)できれいにダブルトップが見えていました。そのネックラインの下抜けから本来は売りエントリーをしたかったのですが、ここは先々週から効いていた赤の抵抗帯ゾーンの下限に位置していました。エントリー後、ゾーンを抜け切れずに反転するリスク(安値掴みのリスク)があると思い、いったんここは見ていましたが、スルーしました。
エントリー(SELL): その後、想定通りゾーン下限での攻防を経て、明確に高値を切り下げ、安値を更新したところでエントリーしようと決めていたところ、まさにシナリオ通りの動きになってきました。ゾーンという明確な障壁をブレイクし、下落の優位性が完全に確立したのを確認したため、ワンテンポ遅れてエントリーを執行しました。
決済(利確): エントリー後は狙い通り一気に下落(拡散)が加速。その後、前回安値に到達して戻してきたところで、あらかじめ引き下げていた決済ライン(トレール)にかかり、無事に利確となりました(チャート内の「×」印)。
私は自分を4時間足のトレンドフォロワーと定義づけしています。それからすると、今週はエントリーした部分の1回しかテクニカル的な根拠が揃わなかったと考えています。
今週の総括
今週のポンドドルは、マルチタイムフレーム(MTF)分析の奥深さと難しさを、改めて私たちに教えてくれるような一週間でした。
大きな時間足(日足・週足)を振り返ると、エネルギーが極限まで収縮する三角持ち合いの先端にあり、直近では「だまし」を伴って日足のレジスタンスゾーンに頭を抑えられているという、明確な「下落の背景」がありました。
しかし、その一方で、4時間足や1時間足といった下位足の局所だけを見ていると、指標発表前の激しい乱高下に翻弄され、買いでも売りでも資金を削られてしまう「往復ビンタ」の罠が幾重にも仕掛けられていました。本当に難易度が高く、一瞬でも気を抜くと感情に流されてしまいそうな相場環境だったと感じています。
こうした難しい相場を経験するたびに痛感するのは、「目先の値動きの勢いだけに惑わされてはいけない」ということです。
大局(日足・4時間足)のレジスタンスゾーンと方向性をしっかり味方につける
下位足の形だけで慌てて飛び乗らず、反転リスクを考慮する
明確にサポレジを転換し、ダウのトレンド(高値切り下げ・安値更新)が確定するまでじっくり待ってから仕掛ける
こうしたテクニカル的な根拠を一つひとつ丁寧に積み重ねていくことの大切さを、今回のチャートから改めて深く学びました。
今週もお疲れ様でした!また来週もロジカルに相場を紐解いていきましょう。














