ユーロドル(EURUSD)の振り返り(2026/6/8~2026/6/12)
最近のドル円(USD/JPY)は為替介入のリスクがあり、資金を守るためにも迷わず静観。また、ポンドドル(GBP/USD)は今週はチャンスがなく、ノートレードとしました。
そこで今週は、非常に綺麗なテクニカルの節目を見せていたユーロドル(EUR/USD)に絞ってトレードを行いましたので、その値動きを振り返ります。長期的な大局観(週足・日足)から、今週起きた激しい攻防(4時間足)、そして実際に私がトレードを仕掛けたポイント(1時間足)まで、マルチタイムフレーム分析で解説していきます。
日足

まずは、日足チャートを大きく引いて、週足レベルの長期的な大局観から確認していきましょう。
現在、ユーロドルは売り手にとって分岐点に位置しています。
高値切り下げと安値更新の波: チャート全体(オレンジのライン)を見ると、小さく高値を切り下げ、安値を更新する緩やかな下降トレンドだとわかります。
三角持ち合いの形成: その一方で、直近の動きにフォーカスすると、上下のラインに挟まれた「三角持ち合い」のようにも見える複雑な保ち合いを形成していました。
トレンドラインの明確な下抜け: しかし、先週末の下落によって、これまで下値を支えていた重要なトレンドライン(持ち合いの下限ライン)を明確に下抜けてきました。
強固な節目(レジスタンス)と日足MA: 現在は、過去から何度も意識されてきた非常に強力な「節目のライン(赤の水平ゾーン)」付近まで戻りをつけています。さらに上からは、日足の移動平均線(MA)が価格をグッと上から押さえつけに来ている状態です。
週足レベルの下値支持ラインを破ったということは、市場の「買い手」たちの防衛線が崩壊したことを意味します。これまで溜まっていたエネルギーが、いよいよ下方向へと解放(拡散)され始める、非常に大きなトレンドになりうる初動段階です。
大局の流れが「明確な売り優勢」にシフトしたからこそ、目先の小さな乱高下に惑わされることなく、「上値を抑えられたら売る」という圧倒的な優位性をもった1本のシナリオに目線を固定して今週の相場に臨むことができます。

次に、直近の細かな値動きと攻防を詳しく見るために、日足チャートを拡大してみます。
大きな三角持ち合いの中にありながらも、直近のローソク足の動向は、売り手にとって非常にシンプルかつ強力なサインを出し始めています。
明確な下降トレンドの形成: チャート右側(紫のライン)に注目してください。高値を綺麗に切り下げながら、直近の安値もしっかりと更新しており、日足レベルで綺麗な「下降トレンド」が進行している事実が分かります。
サポレジ転換(ロールリバーサル)の発生: 過去から何度も下値を支えていた重要な節目「赤の水平ゾーン」に注目してください。一度はこのゾーンを力強く下抜けた後、今週はそこに向かって綺麗に「戻し(上昇)」をつけてきました。かつてのサポートが、今度は強固なレジスタンスとして機能し始めている絶好の局面です。
日足MAによる完璧な蓋(レジスタンス): さらに、価格のすぐ上には下降中の日足の移動平均線が走っており、ローソク足の頭をギュッと力強く押さえつけに来ています。
日足MAの下側にレートが完全に潜り込み、日足レベルの下降ダウ、そして強固な赤のレジスタンスゾーンがこれだけ綺麗に揃っているからこそ、目先の小さなノイズに一切迷う必要はありません。
4時間足や1時間足にズームインしていく際も、「この壁に引き付けて、戻したら素直に売っていく」という、極めてシンプルで期待値の高い売り戦略を立てることができます。
4時間足

今週の具体的な値動きを、4時間足チャートの黒枠内から紐解きます。
日足レベルの強力なサポレジ転換(赤の水平ゾーン)を背景に、戦略としては完全に「売り一択」で待ち構えていた局面でした。しかし、実際の今週の値動き(黒枠内)は、一筋縄ではいかない非常に難解な攻防を見せることになります。
「安値の切り上げ」 :週の初め、赤のレジスタンスゾーンに頭を抑えられたレートは一度力強く下落し、直近安値(黒枠左下の最安値)を目指す動きを見せました。日足の背景を考えれば、そのまま「安値更新」をして下落トレンドが綺麗に伸びていく絶好の売り局面です。 しかし、相場はそれを拒むように、直近安値をわずかに更新することなく、手前で力強く反発。チャートに赤のラインで描いた通り、「安値を切り上げる」という、売り手にとって想定外の買いの力を見せてきました。
売り手を絶望させる「高値更新」への反転: 安値を切り上げたレートは、そのままの勢いで4時間足MA(青)を上抜け、さらには直近の戻り高値(赤の水平ライン)をも上抜ける「高値更新」の動きを見せてきました。 日足がどれだけ綺麗な売り一択の形をしていても、4時間足の局所では「安値切り上げ・高値更新」というダウ理論の上昇転換の形を一時的に形成してきたのです。
ここで、前回の相場でもお伝えした「最大の教訓」が牙を剥きます。 もしも「日足が売り一択だから」という大局の理由だけで、あるいは「下がりそうだから」という感情の勢いだけで、4時間足のこの乱高下の中でテクニカル的根拠なく売りボタンを押し続けていたらどうなっていたでしょうか。 上昇していくローソク足の勢いに完全に巻き込まれ、あっという間に損失が膨れ上がって致命的な損失を食らっていたはずです。
「安値更新ならず、安値切り上げからの高値更新」という4時間足の事実がある以上、市場の買い手たちの抵抗は非常に強固であり、売りを仕掛けるにはまだテクニカル的な根拠(タイミング)が整っていません。
一見すると、日足のシナリオが崩されたように見えて迷いが生じる局面ですが、最終的にこの買いの勢いが「どこで優位性の喪失を迎えるのか」、そして売り手と買い手の思惑が真に重なるポイントがどこなのかを、来週以降は見極めていく必要があります。
1時間足

最後に、私が実際に今週エントリーしたトレードを1時間足をベースに振り返ります。
黒枠が今週の値動き全体ですが、私がエントリーしたのは赤枠の1回です。
エントリー

上記は1時間足を拡大したものです。
4時間足レベルでの乱高下に惑わされることなく、テクニカル的な根拠が極限まで集中したポイントだけを狙い撃ちました。
エントリーに到る背景と根拠(SELL): 4時間足レベルで大きなダブルトップを形成した後、「次の高値切り下げポイントを形成してくるか」という非常に注目度の高い局面でした。その下落の初動を捉えるべく1時間足にズームインすると、狙い通り綺麗なダブルトップを形成。そのネックラインを明確に下抜けたタイミングで、自信を持って売りエントリーを執行しました。
徹底したリスク管理と1/2決済: エントリー後は想定通りに下落の流れが出たため、高値の切り下げに合わせて決済ラインをルール通りに引き下げていきました。その後、目立つ安値に到達したところで、利益を確実に確保(資金を守る)するために1/2を利確決済。残りのポジションを保有したまま、安心して就寝しました。
残りのポジションの撤退(微損): 翌朝以降、さらに高値を切り下げてトレンドが伸びていけばそのままついていくつもりでしたが、相場は高値を切り下げることなく反転上昇。引き下げていた決済ラインを上抜ける「高値更新」の動きとなったため、残りの半分は微損で自動的に撤退となりました。
結果としては大きな利益とはなりませんでしたが、「利益を残しながら、想定外の逆行には最小限の失点で切り抜ける」という、極めてスマートで資金管理の行き届いたトレードができたと感じています。
今週の総括
今週のユーロドル(EUR/USD)は、マルチタイムフレーム(MTF)分析の「大局の優位性」と「下位足のリアリティ」の両方を同時に学べる収穫の多い一週間でした。
日足レベルでは、超長期のトレンドライン下抜けから完璧なサポレジ転換を決め、日足MAにも頭を抑えられているという、これ以上ない「売り一択」の背景が揃っていました。しかし、一歩足を踏み入れた4時間足レベルでは、「安値更新ならず、安値切り上げからの高値更新」という、大局のシナリオを一時的に否定するような強い買いの抵抗(ノイズ)が発生していました。
この相場環境から私たちが改めて深く胸に刻むべき教訓は、「どれだけ大局が売り一択でも、下位足が逆を向いている局面で、感情の勢いに任せて飛び乗っては絶対にNG」ということです。
もし「下がりそうだから」とテクニカル的根拠のない場所で売りボタンを連打していれば、4時間足の反転上昇に巻き込まれて手痛い損失を被っていたはずです。
私が今週行った唯一のトレードが、結果として「利益確保+半分微損」という安全な形で終えられたのは、
4時間足レベルの反転リスクを頭に入れつつ
1時間足レベルで「ダブルトップ+ネックライン下抜け」という明確な事実(注文の集中)を待ち
想定外の戻りに対しては、分割決済とトレールで資金を徹底的に守った からに他なりません。
一見すると複雑で難解な乱高下相場も、時間足ごとの役割(日足の方向性・4時間足の壁・1時間足のタイミング)をロジカルに整理していけば、どこでリスクを限定して戦えるのかが少しずつ見えてきますよね。
思うように伸びない理不尽な値動きに出会ったときこそ、感情を100%排除し、「資金を守るためのルール」を淡々と執行できる強さを持っていきたいですね。
今週の難しい相場、本当にお疲れ様でした!














