
「FX 予想 当たる」という検索を見かけることがあります。予想さえ当たれば勝てる、と思いたくなる気持ちはよく分かります。
しかし、予想を当てることだけに頼っていては、長く勝ち続けることはできません。
私はトレードで「予想」をしていません。していることは、シナリオを立てて待つことです。
この記事では、予想とシナリオが何が違うのか、そして私が実際にどうやってシナリオを立てているのかを解説します。
「予想」と「シナリオ」は何が違うのか

予想とは、「上がる」「下がる」を言い当てようとすることです。当たるか外れるかという、運の要素が強い世界です。
これから相場がどう動くかは、誰にも分かりません。私はこの前提を疑ったことがありません。
シナリオは違います。「こう動いたら、こうトレードする」という、条件付きの売買方針です。
当たるか外れるかを競うのではなく、「そのエントリー条件に近づいたかどうか」を確認するだけの作業に変えてしまう。
これが、予想とシナリオの一番の違いだと考えています。
シナリオが必要な理由|無計画なトレードを避けるため
パッと見のチャンスはなぜ危ないのか

チャートを開いた瞬間、「あ、チャンスだ」と思ってすぐにエントリーし、直後に逆行した経験はないでしょうか。
私は初心者の頃、これを何度も繰り返しました。
ぱっと見ると、チャンスに見える場面があります。しかし、こうした場合は、たいてい負けます。
今振り返ると、上位足からの環境認識をせず、目先の値動きだけで判断していたのが原因だったと思います。
シナリオを先に立てていれば、避けられた負けです。
シナリオを立てないトレードは、結局のところ無計画なトレードです。
一方、シナリオを立てていれば、エントリー前にこう言葉にできます。
- 上位足(週足・日足)は上昇トレンド中
- 4時間足で押しを作り、安値を切り上げてきたら、ダウ理論に沿ってトレンドは継続すると見る
- その安値付近(水平線で支えられている位置)まで引きつける
- 1時間足でダブルボトム、もしくは安値切り上げ・高値更新が出たら買いエントリー
- このトレードは、上昇トレンドの4時間足レベルの波を、1時間足レベルの損切り幅で狙いにいくトレード
こうして先に言葉にしておけば、エントリーの根拠も、どのレベルの値幅を狙っているトレードなのかも、後から振り返ることができます。
シナリオがなければ、「チャンスに見えたから入った」という、根拠のないトレードになってしまいます。
賢人さんから学んだのに、すぐには実践しなかった
シナリオを立てる重要性は、賢人のデイトレードさんから教わりました。
ただ、正直に言うと、教わってすぐに実践したわけではありません。
シナリオを立てるのは手間がかかり、面倒に感じていたからです。しばらくは、シナリオを作ることなく、トレードを続けていました。
案の定、シナリオを立てないままでは、やはり勝てませんでした。
この経験で、シナリオは「あった方がいい」ものではなく「ないと勝てない」ものだと思い知りました。
賢人さんのようなスーパートレーダーでさえシナリオを立てているのに、当時の私は「自分には必要ない」と勘違いしていました。
賢人さんが立てるなら、経験の浅い自分こそ、必ず立てるべきだったのです。
今ではシナリオの重要性を理解できたわけですが、問題は「どうやって立てるか」です。
ここからは、私が実際にやっている立て方を解説します。
シナリオの立て方|上位足から1時間足まで

上位足(週足・日足)で環境認識する
まず、週足・日足でダウ理論のカウント(高値・安値の切り上げ・切り下げ)、水平線、トレンドラインをチェックし、大きな流れを確認します。
ただし、必ずしも週足・日足と同じ方向にトレードすると決めているわけではありません。
週足・日足の流れに逆らったトレードをすることもあります。
私は4時間足のトレンドフォロワーであり、上位足の環境認識は、あくまで4時間足の判断が大きな流れに対してどの位置にあるかを把握するためのものだからです。
4時間足で「買える条件・売れる条件」を考える
次に、4時間足に落とし、「どうなれば買えるのか、どうなれば売れるのか」を具体的に検討します。
・4時間足レベルで切り上げてくる、切り下げてきたらどうか。
・近くに支えになる水平線はあるか。
・トレンドラインは効いているか。
・移動平均線の支え、抑えはどうか。
・日足の移動平均線との関係はどうか。などなど
どうなれば複数の根拠が同じ場所に重なってくるかを確認します。
このように「4時間足がどうなったら買えるのか、売れるのか」を、シナリオの中心に置いて考えます。
週足・日足は、その4時間足の判断が「大きな流れのどこにいるのか」を確認するための環境認識です。
1時間足や15分足は、4時間足で立てたシナリオの、入るタイミングを細かく調整するために使います。
主役はあくまで4時間足です。
1時間足の細かい値動きまで書いて保存
シナリオそのものは、4時間足チャートに描いておきます。
そこに、1時間足レベルの細かい値動き(ダブルトップやダブルボトムなど)も書き込んでおきます。
それを、ppInk・Raptureを使って保存し、作成したシナリオはエクセルなどに保存して残しています。
ppInk・Raptureについては、以下の記事で紹介しています。
あとは、チャートをチラチラ確認しながら、値動きがこのシナリオに近い形になったら、トレードを実行します。
シナリオはいくつも立てて、待つ
シナリオを1つだけに絞りません。
買いの場合と売りの場合、両方のパターンを先に立てておきます。
具体例で見てみます。9/12に公開したユーロドルの実例です。
実際にエントリーする24時間前はどう見ていたのか言葉にしています。
具体例|9/12のユーロドル
週足(エントリー24時間前)

*青のゾーンは過去の反発があったゾーンに引いています。よく効いていることがわかります。
ダウ理論的には下降トレンドでしたが、月足・週足のMAが収束しており、上昇の兆候も出ていました。(収束→拡散に向かう可能性)
この時点では買いか売りか、方向を決めつけず、フラットな目線で監視を始めています。
日足(エントリー24時間前)

すでに上昇トレンドへ転換し、抵抗帯もブレイクしていました。
ただし、日足MA(青)との乖離が大きく、戻り(調整)のリスクも抱えていました。
4時間足(エントリー24時間前)

上昇トレンドを継続しながら、ブレイクした抵抗帯に向けて押しを形成中でした。
ここまでの状況から、2つのシナリオを用意しました。
買いシナリオ

- 4時間足レベルで安値の切り上げポイントを作る
- 移動平均線が下から支えてくる
- 抵抗帯で支えられてレジサポ転換してくる
- 1時間足の高値更新を押し目買いのトリガーにする
このシナリオは日足・4時間足で安値切り上げが続く中、1時間足でダブルボトムか高値更新が出れば、3つの時間軸(日足・4時間足・1時間足)が揃う「フラクタル構造」が完成する型です。
週足はまだ下降トレンドでしたが、そのリスクを承知のうえでの買いです。(週足レベルの高値切り下げポイントを作ってくる可能性はあります。)
売りシナリオ

- 4時間足で高値切り下げポイントを作る
- 移動平均線が上から抑えに来る
- 抵抗帯を抜けてから、その後はレジスタンスされる
- 1時間足のダブルトップ、もしくは高値切り下げからの安値更新を戻り売りのトリガーにする
ただし、日足はまだ上昇トレンド中であることに注意が必要です。
4時間足レベルで下落が始まっても、日足の移動平均線が下から買い圧力を残しているため、いったん下降の流れになっても日足レベルでは安値を切り上げてくる可能性があります。
ここまでが、実際のユーロドルで用意していた2つのシナリオです。
買いシナリオも売りシナリオも、ダウ理論の高値・安値、水平線、移動平均線を使って組み立てている点は同じです。
特別なインジケーターは使っていません。誰もが見ている、ごく当たり前の材料だけでも、シナリオは立てられます。
ただ、同じ材料を使っても、週足・日足・4時間足がきれいに同じ方向を向くとは限りません。
これらの時間軸すべてが一致するときにしかトレードしないのであれば、チャンスは限られてきます。
だからこそ、時間軸によって方向が食い違うときは、ロットを調整したり、決済を早めたりして対応する必要があります。
全体の思考プロセスは、以下の記事で解説しています。
他にも、複数パターンのシナリオを立てて待った実例があります。
【ポンドドル】ダウ理論で待つエントリーの思考プロセス(2026/6/3)
USD/CHF|サポレジ転換とダブルトップで仕掛けた戻り売り
シナリオが立てられないなら、練習するしかない
ここまでのようなシナリオの立て方は、最初から誰でもすぐにできるわけではありません。
「シナリオの立て方が分からない」という場合、残念ながら近道はなく、練習を重ねるしかないと思っています。
私が実際にやっていたのは、賢人さんのシナリオ解説シリーズの動画を使った練習です。
動画を見る前に、チャートを止めて自分なりにシナリオを立ててみる。
そのあとで、賢人さんの解説と答え合わせをする。この繰り返しで、シナリオを立てる感覚を身につけました。
まとめ
FXは、未来を予想するゲームではありません。
いくつかのシナリオを立てて、その条件に近づくのを待つゲームです。
上位足で環境認識し、4時間足で条件を具体化し、1時間足で根拠が出たところを仕掛ける。
この手順を繰り返すことで、予想に頼らないトレードができるようになります。














