
今週のドル円は、久しぶりに値幅の大きい一週間になりました。週明けは160円台まで上昇したものの、週の半ばには155円台前半まで急落。
「トレンドが変わったのでは」と心理的に揺さぶられる値動きでした。
それでも、週足のダウ理論に基づく環境認識では、上昇トレンドの構造自体はまだ崩れていません。
一方で、日足・4時間足まで時間軸を落とすと話は変わり、トレンドの崩壊が見られました。
この週間振り返りでは、週足・日足・4時間足・1時間足・15分足とマルチタイムフレームで環境認識を積み上げ、なぜその判断に至ったのかを一つずつ振り返ります。
特に今回は、エントリーの根拠と決済の根拠を同じダウ理論で一貫させるという視点に重点を置いて解説します。
この記事は、実際にこの期間を検証・トレードした記録です。もし練習ソフトをお持ちなら、先にご自身でこの期間を検証してから読み進めると、トレードポイントの参考にしていただけます。
週足の環境認識|ドル円は急落でも上昇トレンド維持

・週初160円台→週央155.278円まで急落、終値156.229円。
・直近の押し安値は明確に割れず、ダウ理論上の上昇トレンド構造は維持。
・ただし、値幅の荒さは要警戒。次の下押しでは押し安値割れの可能性も。
ダウ理論による目線と現在地
2025年6月頃からの上昇トレンドは、週足レベルでは依然として崩れていません。
短期MA(青)は長期MA(赤)の上を維持したまま右肩上がりを続けており、両線の並びだけを見れば買い優勢の地合いに変化はない状態です。
ダウ理論的に見れば、上昇トレンドの定義は「高値・安値がともに切り上がっている状態」が続きます。
今回のように一時的に大きく売られても、押し安値さえ死守できていれば、トレンドの構造自体は維持されていると判断できます。
今週の急落と、押し安値の防衛ライン
今週は値動きの荒さが目立ちました。週初に160円台へ乗せる場面があったものの、その後は155.278円まで急落。
終値は156.229円と、高値からは4円近く値を消して引ける結果になりました。
それでも、この急落は直近の押し安値を明確に下抜けませんでした。
「ぎりぎり耐えた」という状態は、裏を返せば次に同じような下押しが来たときに割り込むリスクとも隣り合わせということです。
週足だけで安心せず、日足・4時間足でどのような形で下落が止まったのかを次のセクションで確認していきます。
日足の環境認識|ドル円が急落でトレンド崩壊

・高値圏からの急落で短期・長期の移動平均線をともに下抜け、上昇トレンドの構造が崩壊
・短期線が長期線の下に潜り込み、戻り売りをイメージさせる位置関係に変化
・直近は急落安値付近まで戻ってきており、来週以降は高値切り下げの有無が焦点
上昇トレンドを崩した急落
週足では持ちこたえた上昇トレンドですが、日足レベルでは話が変わります。
高値圏から一本の大陽線の後、短期・長期どちらの移動平均線も一気に下抜ける急落が発生。
それまで綺麗に切り上がっていた高値・安値の構造が、この一撃で崩れました。
移動平均線の位置関係|戻り売りをイメージさせる形
短期移動平均線(青)と長期移動平均線(赤)の位置関係は赤のMAの下に青のMAが潜り込み、戻り売りがイメージできる形になっています。
移動平均線の位置関係の読み方は、移動平均線(MA)の正しい使い方!設定値の迷いを消す思考法でも詳しく解説しています。
来週以降の注目点|高値切り下げの有無
直近は再び155円台前半まで値を落とし、当初の急落安値付近まで戻ってきています。
ここからもう一段戻りを試すのか、それとも直近高値(160円台前半)を超えられずに高値を切り下げてくるのか。後者が確認できれば、日足レベルでは下降トレンドへの転換がより明確になります。
週足は耐えているものの、日足がこのまま安値を切り下げていく展開になれば、上位足・下位足で目線が割れる状態が続くため、来週最初の値動きは特に注視したいところです。
4時間足の環境認識|二段の高値失敗とネック割れ急落

・週前半は160円台前半で二度高値をつけるも、二度目は勢いを伴わず上値の重さが露呈
・間にあった159円台半ばのネックラインを明確に下抜け、155円台前半まで急落
・週末はやや値を戻すも、反発の始まりか単なる一服かは現時点で判断できず
週前半|高値更新からの急落
週明けは上昇基調でスタートし、160円台前半で最初の高値をつけました。
いったん159円台半ばまで押した後、再度上値を試して二度目の高値をわずかに切り上げてつけています。ただし、この二度目の高値は勢いを伴っておらず、上値の重さがにじむ形でした。
ネック割れからの急落
二度目の高値をつけた後、間にあった159円台半ばのネックラインを明確に下抜け。
ここから一気に売りが加速し、週の安値となる155円台前半まで急落しました。上位足(日足)で見た戻り売りの目線とも整合する値動きです。
ネックラインの考え方そのものは、水平線(レジサポライン)の使い方!引き方と大衆心理を徹底解説で解説している水平線の一種です。
しかし、戻りを付けずに下落したため、週半ばからはエントリーを検討できる形になりませんでした。
週末の買戻し
週末にかけては安値からやや値を戻し、156円台前半で週を終えています。
ただし、この戻りが反発の始まりなのか、単なる急落後の一服なのかは現時点では判断できません。
来週の値動き次第で、戻り売りが継続するか、下げ止まりを確認できるかが変わってきます。
1時間足|ドル円1週間の値動きを振り返る

最後に、私が実際に今週エントリーしたトレードを1時間足をベースに振り返ります。
黒枠が今週の値動き全体ですが、私がエントリーしたのは赤枠の1回です。
エントリーポイント|15分足の安値切り上げでBUY

実際のエントリーは15分足まで落としてエントリーしました。
青ラインは4時間足レベル、緑ラインは1時間足レベル、紫ラインは15分足レベルを示しています。
マルチタイムフレームでの環境認識とエントリー根拠
今回のエントリーは、4時間足の上昇の流れを大枠として、1時間足で安値が切り上がっていることを確認した上で、さらに15分足まで時間軸を落として判断しました。
15分足でも安値切り上げが継続し、直近高値を更新したタイミングでBUYエントリー。
上位足から下位足まで、目線が一貫して買い方向に揃っていたのが根拠です。
決済もダウ理論に従う|LCが機能した理由
今回のエントリー根拠は、15分足で安値が切り上がり、高値を更新したという「ダウ理論の構造」でした。だとすれば、決済の判断基準も同じ理論に揃えるのが筋です。
エントリー後にLCを引き上げていったのは、直近の切り上がった安値の下にLCを置き直す作業でした。つまりLCの位置自体が「この安値を下に抜けたら、買いの根拠にしていた構造が崩れる」というダウ理論上の損切りラインだったことになります。
その後、価格が一時的にLCへ触れて微益で決済となりました。
これは、エントリー時に使った理論と同じ基準で「構造が崩れたと判断できる水準」に触れたから決済した、というだけです。
結果的に相場はその後反発し上昇を続けましたが、それが分かるのは確定した後のチャートを見ているからにすぎません。
判断の瞬間には、あの下ヒゲが一時的なものか、本当のトレンド転換の始まりかを見分ける方法はありませんでした。
エントリーをダウ理論に基づいて行ったのであれば、決済も同じ理論の「構造が崩れたシグナル」に従う。
この一貫性を守れたという意味で、今回は狙い通りの手順を踏めたトレードだったと考えています。
今週の総括
今週いちばんの気づきは、「エントリーをダウ理論で行ったなら、決済も同じダウ理論に従うべき」ということです。
(ダウ理論の基本についてはこちらで解説しています)
週足・日足・4時間足と、上位足でも一貫して「高値・安値の切り上げ/切り下げ」という同じ基準で環境認識をしてきました。
今回のエントリーとLCの置き方も、この基準を最後まで貫けたという点で一貫性のあるトレードだったと思います。
- 4時間足で安値が切り上がっている
- その切り上げポイントの中で1時間足レベルで安値が切り上がっている
- さらにその1時間足レベルの切り上げの中で15分足レベルで安値切り上げ+高値更新
- エントリーはこの環境認識に沿ったBUY。LCも同じダウ理論の基準で置いていたため、結果的に決済にはなったが手順としては一貫していた
来週は、日足がこのまま高値を切り下げてトレンド転換を確定させるのか、押し目からの再上昇に転じるのかが最大の注目点です。
上位足・下位足で目線が揃うタイミングを、焦らず待ちたいと思います。













